デイシン（東京）は、AIを用いた独自のアート制作を進めている。2022年からAIに絵画風の作品を描かせ、人間には描けない独特のアートを目指している。2023年10月には成果の一部を公開し、新たな手法で約13万枚の作品を自社サイトに展示した。その中から約4000枚をChatGPTで分類し、楽天でポスター販売も行っている。一部作品は無料でダウンロード可能だ。

デイシンは3D印刷技術で透明シェードやLED電球を製造販売してきたが、画像生成AI「Stable Diffusion」を使用しAIアートを制作。短い言葉や造語をプロンプトにして、AIに自由に画像を生成させている。多くのAIアート作家がリアルな画像を目指す中、デイシンは抽象的な画像を中心に制作している。

同社はこれまでに制作した作品をランキングし、dasyn.com/aiart/に掲載。新たに掲載された作品は独自のプロンプトを使用して制作されたものだ。上位作品はChatGPTで分類され、楽天のデイシン・プライムでポスターとして販売中。また、デザインフェスタやNicograph 2024での展示即売、絵画展やCGコンペへの出品も予定している。

デイシンは新しい手法を開発し、制作者の実名やペンネームをプロンプトに使用するなどして、他にはない画像を生み出している。負のプロンプトには浮世絵師や画家の名前を指定し、画像を多様化させている。さらに、制作者名と画家名や芸術運動名を組み合わせることで、豊かな絵画風画像を得ている。ChatGPTによる分類では、人、動物、顔や目など8項目に分類された作品を展示しており、抽象画については今後さらに細かい分類を行う予定だ。